参照元: 滞納されている家賃を回収したいのですがどうしたらいいでしょうか|賃貸借問題 - 福岡弁護士法律事務所
大きく分けて、次の6つのような状況となっているとき、貸主は使用者に対して、正当な理由として賃貸借契約の解除を言い渡すことが可能です。
目次
賃貸借契約解除の6つの状況
1)用法違反
一般的な住居として貸し出している部屋を使用者が事業所として使っていたり、業種指定の特約があるにも関わらず、たとえば飲食店目的で貸した部屋を借主が勝手に金融業に使っているなどの「用法違反」がある場合には、契約解除が認められることがあります。
2)無断転貸
使用者に対して貸している部屋を、その住人がまた別の人に貸主の許可なく貸している場合には、「無断転貸」となります。ただし、その行為における「背信性」において、程度が低い、あるいは貸主と使用者の間で信頼関係が破壊されるには至ってはいない場合、賃貸借契約の解除が認められないこともあります。
3)無断増改築
使用者が、貸主の許可を取らず借りている部屋を「無断増改築」した場合には、賃貸借契約の解除が認められることがあります。しかし、それもすべての事例で認められるというわけでなく、その増改築を行った事情、具体的な増改築の規模、原状回復の難易によっては、契約解除が認められないこともあります。
4)ペット飼育違反
ペット禁止としている部屋で犬猫などを飼われるのは貸主にとって大変な迷惑には違いないでしょう。それによって賃貸人との信頼関係が破壊された場合には、契約解除を求めることができます。しかし、ペットの飼育によって、近隣住民に大きな迷惑が生じていない場合は、ただちに契約解除ができないこともあります。
5)近隣迷惑行為
もし使用者が暴力団員であったり、犯罪者であったりする場合には、それだけで信頼関係の破壊が認められることも多いようです。その場合、無催告解除できることもあります。
6)行方不明
賃貸人の行方がわからなくなっている場合は、やはり、賃貸借契約の解除が認められることも多いです。それでも賃貸借契約の継続が認められる場合は、訴訟によって建物明渡請求、そして未払いの賃料を請求。それから強制執行による賃貸借契約の解除となるわけですが、賃貸人が行方不明のケースでは、公示送達の申立てが必要です。