事件の内容によります。ただし、少年事件の場合は、「全件送致主義」という原則があり、罪を犯した者はすべて家裁に送られます。
家裁で行われるのは裁判ではなく、審判です(そういう意味では、重大事件で逆送されない限り「裁判」はあり得ないとも言えます)。
警察に逮捕された子供は、いつ、家に帰ってくることができるのでしょうか。
ケースバイケースです。事件の内容や、家庭環境、学校の状況、あるいは被害者の処罰感情(加害者に対してどの程度の処罰を望んでいるのか)という点で変わってきます。
被害者への謝罪、弁償は、どのようにすればいいでしょうか。
我が子が犯した罪を認めているのであれば、被害者への謝罪、弁償は、やはり確実にすべきでしょう。
まだ逮捕されていない状況であるなら、被害届の提出を思いとどまってもらう意味でも重要です。
事件のことが学校に報告されたら、子供は退学になるのでしょうか。
学校での処分は、あくまで学校側の判断によります。警察や家裁が「退学させなさい」と命じるわけではありません。また、もし少年を逮捕しても、警察はその子供の学校を調べて通報することはありません。
子供が逮捕された場合、どのタイミングで弁護士に相談すればいいのでしょうか?
ずばり、最速で相談してください。
たとえば、警察から連絡があり、我が子が逮捕されたと知ったとき。その詳しい情報を聞きだして、すぐに弁護士に話を持っていきます。あるいは子供が警察から出頭するように言われているときにも、弁護士に相談して、付き添ってもらってください。
学校のこともあります。子供が逮捕されないためには、どうすればいいでしょうか?
事件の内容がある程度以上重い場合には、逮捕は避けられません。
警察に被害届を出される前の示談交渉や、警察の出頭要請に対して素直に応じ事情聴取にも従順に協力するなどすれば、逮捕の可能性は低くなるでしょう。しかしそれでも犯した罪によっては逮捕される場合はあります。ともあれ、交渉してみる価値はあるでしょう。
子供が事件を起こしたことは、学校に伝わってしまうのでしょうか?
伝わることもあれば、伝わらないこともあります。これは、まさしく場合によります。
警察があえて学校に通報するようなことはほとんどありませんが、たとえば、子供が犯した罪が新聞に載ってしまったような場合は、そのために伝わることがあります。あるいは教育委員会が警察に問い合わせて、調査することもあるようです。
逆送、というのはどういう意味なのでしょうか?
事件を起こした少年は、その多くが家庭裁判所で処分が下されることになりますが、起こした事件が重大な場合は、成人事件と同様に刑事裁判を受けることになります。
検察官送致、すなわち「逆送」とは、家庭裁判所から検察へと被告を送り返すことを言います。
少年院とはどういう場所なのでしょうか。どんな刑を受けることになるのでしょうか。
少年院は、罪を犯した少年に矯正教育を行う施設です。審判の結果、保護処分として送致されてきた少年を収容し、刑の執行を受けさせます。
収容された少年には非常に規律正しい生活を送らせ、院内の決まりごとに違反した者には、懲戒処分も行われます。再非行に走らせないために、特別の場合を除いて、外出は許可されません。
試験観察とはどういうことでしょうか? 保護観察とは違うのでしょうか?
試験観察とは、保護観察にすべきか、少年院送致とすべきか、すぐには判断できない場合に取られる暫定的な処分のことです。
罪を犯した少年が、社会の中で更生できるのか、やはり少年院で教育しなければならないのか。最終的な処分を下す前に、一定期間、ひとまずは社会の中で生活する機会を与えてみて、その期間の様子を見た上で判断されます。