参照元: 会社を辞めろと言われましたが、どうしたらいいですか|京都はるか法律事務所
そのような一方的な解雇は法的に許されません。
正当な理由がない限り、通告に従ってそのまま退職する必要はないので、まず会社に相談しましょう。それでも相手にしてもらえないようなら、弁護士に相談してみてください。
会社による解雇の種類
従業員との雇用契約を会社から解除することを「解雇」と言いますが、単に解雇といっても会社都合の解雇には、「普通解雇」「整理解雇」「懲戒解雇」の三つの種類があります。
普通解雇
従業員の著しい能力不足、または病気で働けない場合の解雇。
整理解雇
いわゆる「リストラ」です。会社の業績不振による解雇。
懲戒解雇
従業員に服務規程違反がある場合、その懲戒処分としての解雇。
有効と認められる解雇の条件
会社による一方的な解雇が有効とされるには、次の四点の要件をすべて満たさなければなりません。「すべて」です。そうでない限り会社は従業員を辞めさせることはできません。
- 法で定められた「解雇禁止事由」に該当しないこと。
- 解雇の予告を30日以上前に行う。または解雇予告手当(30日分の給料)を支払う。
- 雇用契約書、就業規則、労働協約の解雇規定に従っていること。
- 従業員を解雇する理由に相当性、合理性があること。
このうち「解雇禁止事由」は様々で、たとえば、国籍等を理由にした差別的な解雇、性別を理由とした解雇、妊娠・出産等を理由とした解雇、公益通報をしたことを理由とする解雇――などがあります。このような理由で従業員を解雇することは法的に許されません。
正当な解雇理由がなく、いきなり「解雇する」と一方的に通告して従業員を辞めさせるような解雇は無効です。「もう出社しなくていい」と言われても、そのような解雇は有効とされないので、依然としてあなたは従業員です。弁護士を通して会社に抗議し、それでも相手が応じない場合には、裁判所で従業員であるとの地位を確認してもらい、未払い賃金の支払いなどを求めます。
まとめ
- 理由の説明も予告もなく突然「解雇する」という会社の通告は有効ではない。
- 解雇には「普通解雇」「整理解雇」「懲戒解雇」の三種類がある。
- 法的に有効とされる正当な理由のない解雇は無効なので、通告に従う必要はない。
- まずは会社に解雇事由を確認し、充分な説明が受けられない、またはそもそも取りつく島もないという状況の場合は、弁護士に相談して会社に抗議し、訴訟も検討する。