ご紹介: どんな場合に解雇が許されますか|労働問題 – 京都の弁護士 京都はるか法律事務所
基本的には解雇できないのが通常であり、解雇そのものが例外的な扱いであるとお考えください。
そもそも労使関係は雇用契約によって成り立つものであり、契約は特別な事情が無い限り、労使双方が誠実にこれを履行しなければなりません。それでも従業員の側に問題がある場合、または経営者側で様々な事由により事業を継続できない場合などには例外として一定の条件の下で雇用契約の打ち切り、すなわち解雇が可能になります。
解雇制限が生ずる場合
通常、客観的または社会常識の観点から見て従業員の解雇が妥当であるとしても、以下の場合には解雇制限が生じます。
- 労働者が業務上の原因により負傷もしくは疾病により療養のために休業した場合
- 産前産後の女性が休業する場合
これらの場合、各々の休業期間の後、30日間は解雇をすることができません(あくまでも業務上の理由ですので、それ以外の原因による疾病などは対象になりません。)。仮に従業員に懲戒解雇に相当するよう事由があったとしてもです。
解雇制限の例外
労働基準法81条において、経営者が平均賃金の1200日分を打切補償として労働者に支払った場合には、この解雇制限が除外されます。また業務上の傷病などで休業している労働者については、労災保険から傷病補償年金を受け取っている場合でも打切補償を支払ったものとして取り扱われます。ただし、休業補償給付を受け取っている場合には除外対象にはならないので注意してください。
また、災害などを原因として事業の継続が困難になった場合については、この解雇制限も適用されなくなります。ただし、打切補償を行う場合であっても、諸々の理由により事業を継続できなくて解雇をする場合であっても、労働基準監督署の認定が必ず必要です。経営者の独断で解雇制限を排除することはできません。