参照元: 逆送(検察官送致)とは何ですか|京都はるか法律事務所
事件を起こした少年は、その多くが家庭裁判所で処分が下されることになりますが、起こした事件が重大な場合は、成人事件と同様に刑事裁判を受けることになります。
検察官送致、すなわち「逆送」とは、家庭裁判所から検察へと被告を送り返すことを言います。
家裁では、少年事件でも、刑事処分相当と認めるときや、調査の結果少年が20歳以上であると判明したときには事件を検察官に送致しなければならないという決まりがあります。
刑事処分相当の事件とはどのようなものか、ですが、たとえば殺人、強盗致傷、傷害致死など、人の生命や身体に重大な影響を与える事件のことです。逆送された少年は、20歳未満であっても、成人と同じように公開の裁判で裁かれ、場合によっては刑を受けることになります。ただし、もし刑事裁判を受けることになっても、少年法第55条は、「裁判所は、事実審理の結果、少年の被告人を保護処分付するのが相当であると認めるときは、決定をもって、事件を家庭裁判所に移送しなければならない」と定めているので、裁判の結果として懲役刑などを受けさせる必要はなしと判断されれば、少年はまた家裁に戻されます。
刑事裁判で有罪という判決が出れば、前科がつきます。保護処分(少年院送致含む)は、前科にはなりません。この差は今後少年が成長して社会生活をしていく上で、あまりに大きなものです。将来のことを考えれば、なるべく保護処分を得たいというのが、少年やその保護者の正直な気持ちでしょう。弁護士に相談して、逆送された場合にも、移送となるように努力したいものです。