被害届を出される前に、それを思いとどまってもらうためにも、やはり、何はともあれ謝罪はすべきでしょう。弁護士を伴い、示談交渉をしてみることが、とにかく先決です。
被害届が出されてしまうと、警察は被害者の主張を聞き、事件性があると判断すれば、捜査を始めます。そうなると、少年と言われる年齢であっても、警察に呼び出されて大人と同様に事情聴取を受けます。もし警察からの呼び出しを無視すると、逃亡するかもしれないとして逮捕されることもあり得ます。自ら出頭して事情聴取に応じるのと、逮捕されて事情聴取に応じるのとでは、事件を起こした子供としても気持ちが違うでしょう。後者の場合は、逮捕された不安から警察に対して反抗的な態度を取り、不利益な結果がもたらされることもあります。もし呼び出されたならば、素直に従うのがその時点では最良です。
被害届が出されると、いわば「警察沙汰」になってしまうので、その事前にできるだけ話し合いによる和解ですべてを終わらせるのが望ましいことと思われます。示談成立のポイントとしては、まず、心からの謝罪。そして、その証として、具体的な誠意を示すことです。それはあるいはお金かもしれず、あるいは、何か別なかたちでの弁償ともなるでしょう。被害者の方に何か事件の原因があるとしても、子供がやったことが犯罪行為である以上は、全面的に謝罪し、親としては「警察沙汰」とならないよう対応したいところです。
ただし事件があった直後は、被害者側も加害者側もよく状況が飲み込めず、直接に会って話し合っても感情的になり、話がまとまらないことがしばしばです。素直に謝罪するつもりで赴いたつもりが、相手の出方によっては辛抱が続かず、言い合いとなり、より状況が悪化することもあります。そのような事態を防ぐためにも、弁護士に相談してください。