参照元: 法定後見制度にはどんな種類がありますか|京都はるか法律事務所
法定後見制度は、支援を必要とする方の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」の三種類に分かれています。その“程度”については、ご本人やご家族から法定後見制度を利用したいという請求をすると、家庭裁判所が審理して認定することになります。
法定後見制度の「後見」について
「後見」は、一般的な判断能力がない方のために用意された制度です。
この認定を受けると、家裁の選んだ後見人が、本人の代わりに広く法律的な行為(契約)や財産の管理を行うことになります(食料品の購入など、日常生活に関する行為以外)。
もちろん、通帳や不動産の権利書の管理も、後見人の仕事の一つです。その他、ご本人のために介護サービスや施設入所が必要とされる場合には、後見人が代わりにその契約を行うことになります。遺産分割の協議についても、本人に代わり、後見人が行います。またもしご本人が何か法的な契約を結んだ場合には、後見人がそれを取り消すこともできます。
法定後見制度の「保佐」について
判断能力が著しく不十分な方は、「保佐」の認定を受け、重要な法律的行為については家裁の選んだ保佐人の同意なしにはできないことになります。たとえば、不動産売買、お金の借入、遺産分割、裁判――など、財産的に大きな可能性を及ぼす可能性のある行為について、その「重要な法律的行為」の内容は法律で具体的に規定されています。
法定後見制度の「補助」について
「補助」とは、判断能力が十分でない方のために用意された制度です。
決して十分とは言えないにしても、補助制度の場合で一定の判断能力があるので、ご本人の希望・意思がなければ、その利用を開始することはできません。また、利用が始まっても、保佐制度の中で決められている「重要な法律的行為」の一部について、家裁の選んだ補助人の同意・代理を必要とするに留まります。
――以上が、法定後見制度の三種類です。家裁の統計によると、法定後見制度が利用されているケースでは、85%程度が「後見」、「保佐」は12%、「補助」は3%程度のようです。
まとめ
- 法定後見制度には、判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の三種類がある。
- 「後見」は判断能力がない人のための制度。
- 「保佐」は判断能力が著しく低下している人のための制度。
- 「補助」は判断能力が十分とは言えない人のための制度。