参照元: 自己破産すると選挙権はどうなりますか|みどり総合法律事務所
いいえ、自己破産をしても選挙権を失うことはありません。
どうにも自己破産には暗いイメージがつきまとっているようです。しかし、決して破産は「人生の終わり」などではありません。借金生活から解放され、生活を再建し、立派に再出発する方もいます。次のような「噂」もいろいろありますが、嘘もあれば、本当のこともあるので、そのまま真に受けず、一つひとつ理解して、前向きに検討してみましょう。
目次
自己破産をしても「公民権」は失われない
自己破産は、膨れ上がった債務の支払いを法的に免除してもらうための手続きです。選挙権を始めとする「公民権」とは無関係です。自己破産をしても、公民権は失われません。
自己破産の事実は戸籍に記載されない
自己破産をすると、その情報が戸籍に載る、という噂があるようです。
しかし、自己破産の過程において(破産手続き開始決定~免責許可の決定)、それら事実のすべて、あるいは一部も、戸籍や住民票に記載されることはありません。たとえば、役所で働いている友人がいるからといって、その人に自己破産したことが知られることはないでしょう。
自己破産を周りの人に知られる可能性は低い
自己破産をすると、自分は黙っていても、いつの間にかその事実は周りの人すべての知ることになる…という噂もあるようですが、実際にそうなる可能性は低いです。
裁判所は自己破産の事実を破産者の会社の人に連絡することはありません。「破産するような人間は会社に置いておけない」という理由で職を解かれることを恐れている人も多いかもしれませんが、破産した事実を知られることがなければ、基本的にはないだろうと考えていいでしょう。
ただし、自己破産をすると、その事実は官報に掲載されます。それは避けられません。またしかし、官報を常日頃チェックしている人は一般的にいないので、やはり周りの人に破産の事実を知られる可能性は低いと言えます。
ですが、もし会社からお金を借りている場合は、会社も債権者の一部になるので、裁判所から破産の事実が通知されます。そのケースでは、会社に破産を隠すことはできません。
クレジットカードは使えなくなる
自己破産をすると、原則としてクレジットカードは使えなくなります。
債権者に対して通知を送る際にクレジットカードも一緒に返還することになります。よってそのままカードは使えなくなります(クレジット会社に残債がない場合にはカードの返還は行いません)。また新しくクレジットカードを作ることもできません。俗に言う「ブラックリストに載る」という状態になるので、お金を借りることもできなくなります。
ただし、免責から5年~10年ほどすると、信用情報機関から「破産」の情報は消え、またカードを作ったり、お金を借りたりできる可能性もあります。
まとめ
- 自己破産をしても選挙権(などの公民権)は失わない
- 戸籍に自己破産の事実が掲載されることはない
- 自己破産の事実は官報に載るが、それを一般の人が見ていることはまれで、知人に知られる可能性は少ない。
- 自己破産をすると、クレジットカードは利用できなくなる。