参照元: 逮捕されたらどうすればいいですか - みどり総合法律事務所
不起訴を目指すことです。「逮捕=前科がつく」ということではありません。事件は検察に送られ、そこで検察官が起訴するかどうか検討します。もし、証拠不十分などの理由により、犯罪を立証できないと判断されれば、不起訴となり、前科はつきません。
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不起訴にするために弁護士に依頼する
すでに親族が逮捕されたという段に至って、関係者がご本人のためにしてあげられる最善のことは、なるべくすぐに刑事事件に詳しい弁護士を見つけ、弁護を依頼することです。
依頼を請けた弁護士が検察官と交渉し、不起訴となれば、前科はつきません。反対に、もし何らの行動も起こさず、有罪判決や略式命令などを受けると、「前科」がつくことになります。これは罰金刑でも同じです。前科というものを軽く考えてはいけません。前科がつくと、社会生活に様々な障害が生まれます――具体的なところは後述しましょう。
ご本人にとって不利にしかならない「前科」を避けるため、弁護士は不起訴処分の獲得を目指して活動します。不起訴処分になる理由としては、嫌疑不十分、嫌疑なし、というものが多いですが、「起訴猶予」のように罪を犯したことは明らかなもののこの度に限っては刑罰を科さない、とするものもあります。
起訴を回避することのメリット
弁護士の協力により不起訴処分になれば、ご本人は多くの救済を得ます。まず何よりも具体的なところでは、留置所などでの拘束から身体的に解放されることです。普段通りの日常生活に戻ることができます。
また、刑事手続きからも解放されます。一度不起訴になれば、一般的には同じ容疑で再び捜査されたり、逮捕されたりすることはありません。繰り返しになりますが、人生を送る上で様々な障害を生む「前科」がつかないことも大きなメリットです(ただし「前歴」は残ります)。
一度起訴された事件は、後から不起訴にしてもらうことはできません。よって、事件が発覚した後、ご本人の関係者はなるべく早く我々弁護士までご相談ください。不起訴処分を得るために、弁護士は被疑者にとって有利となる情報を集めたり、捜査機関に対して交渉したり、被害者と示談交渉を行ったりと、そのような弁護活動ができます。
起訴されて「前科」がつくと様々な悪影響がある
もし前科がついてしまえば、ご本人にとっては今後の人生を送る上で非常な不利益が生じることになります。それだけではありません。親戚にも悪影響が及ぶ場合があるのです。
まずは、刑罰が科されること。罰金で済めばまだしも(それも大きな問題ですが)、収監されることもあります。そして、資格取得、職業について制限がかかります。前科調書に記録が残るのも苦しいところです。ご自身の就職や、親族の就職や結婚の際、もし相手方が身辺調査を行って「前科」の事実が判明すれば、非常な悪影響があると言えるでしょう。
前科がつくことで制限がかかる(欠格、と言います)職業には、次のようなものがあります。「国家公務員」「地方公務員」「保育士」「社会福祉士・介護福祉士」「公認会計士」「行政書士」「宅地建物取引主任者」「学校の校長・教員」…など。欠格期間は実刑期間の満了までというものもあれば、実刑を終えてから最長10年間というものもあります。こういった仕事をしていた人は、定められた期間はこれまで従事してきた仕事ができなくなるのですから、前科がつくということにはあまりにも大きな不利益があります。
不起訴を目指して「すぐ」弁護士に依頼する
検察官に起訴を思いとどまらせる弁護活動は、急を要します。同様の事件に何度も取り組んでいて、動きがスピーディーな専門家による交渉が必須です。よって、事がその場に至ったら、「すぐ」に弁護士までお問合せください。
被害者がいる事案の場合には、不起訴処分獲得のため、まず「示談」が大切です。示談成立のために、弁護士が被害者と交渉します。合わせて、嫌疑のかかっている犯罪に関して、証拠が不十分であるなど、被疑者にとって有利となる根拠を集め、捜査機関に起訴しないように訴えかけます。
まとめ
- 逮捕されたら「不起訴処分」を目指すのが最善。
- 起訴されると前科がつき、本人は資格や職業制限を受ける。また親族に悪影響を及ぼすこともある。
- 不起訴になれば前科はつかない。
- 不起訴処分を得るためには、迅速な弁護活動が必須。刑事事件に精通した経験豊かな弁護士にご相談を。