参照元: 示談とは何ですか - 千葉の弁護士 みどり総合法律事務所
問題となっている事案にもよりますので、詳しくは弁護士にご相談ください。
一般的に示談ということについて言うと、次のようなところとなります。
目次
示談を検討するべき刑事事件
まず、被害者と示談できる刑事事件には、たとえば下のようなものがあります。
- 暴行、傷害罪
- 強姦、強制わいせつなどの性犯罪
- 窃盗罪、詐欺罪、横領罪などの財産罪
対して、示談で済まない問題として代表的なのは、公務執行妨害です。公務執行妨害罪とは、その多くは警察官に暴行を働いたという内容になりますが、まさか警察官は慰謝料を受け取って示談するわけにはいきません。その他、覚せい剤取締法違反などの薬物犯罪に関しても、被害者はいない罪なので、示談によってどうにかできる問題ではありません。
示談のメリット
では、示談の可能性がある刑事事件で、実際に被害者と交渉し、示談することのメリットはどのような点かといえば、刑が軽くなるかもしれない、というところです。
早い段階で示談成立となれば、刑事事件の被疑者・被告人は、不起訴処分を得られるかもしれません。起訴された場合も、「示談をした」ということが考慮され、判決では寛大な処分を受けられる可能性があります。早期の社会復帰のためにも、示談は大切です。
また、示談の内容によっては、将来、被害者から民事裁判で損害賠償の請求を受けることを防ぐこともできるかもしれません。
示談のタイミングもよく考える必要がある
基本的に、弁護士に刑事事件についてご相談頂くのは、早いに越したことはありません。示談交渉も基本的にはそうですが、しかしタイミングはよく考える必要があります。
たとえば、窃盗罪や詐欺罪などは、被害者の心情としてはすぐにその損害を回復したいと考える問題です。よって、示談交渉は「早期」のタイミングで行わなければなりません。
しかし、殺人などはまったく別です。まだ被害者遺族のショックも悲しみもあまりに大きい段階で、示談を持ちかけたとしたら、遺族はどんな気持ちになることか――命を奪った犯罪などに対し、すぐお金による誠意を見せようとするというのは大変非常識なことです。
性犯罪における示談についても、タイミングは非常に重要です。盗撮や痴漢といったまだしも軽度な犯罪であれば早期の示談交渉が奏功することが多いですが、強姦などの重大な刑事事件では被害者感情を慮り、時期を慎重に測る必要があるでしょう。
そして示談交渉には、ほとんど弁護士の選任が必須です。というのも、交渉のためには必ず被害者の連絡先を知る必要があるわけですが、通常、被害者は加害者に連絡先など知られたくないと思っています。顔も見たくない、と思っているはずです。弁護士が間に入って交渉しなければ、示談はできません。
示談金に「相場」はあるのか
これは、基本的に「ない」と考えてください。一概にこれくらいという額はありません。
犯罪の性質や、個々の事情にもよります。確かに犯罪の種類、重大さによってある程度の幅というものがあるでしょうが、悪質性、被害者感情などの要素によって大きく増減します。具体的な額は弁護士に相談していただかなければ、はっきりとはしないことです。
当事者同士での示談は避け、弁護士にご相談を
知人間でのトラブルでは、関係者同士で示談するということも世間ではよくあります。
しかし、加害者が逮捕されるような事件の場合は、まともに話し合うことはできないと考えた方がいいでしょう。お互いに感情的になり、より厄介なトラブルへと発展するおそれもあります。また後の関係に悪影響も及ぼしかねず、当事者同士での示談は危険です。
示談は基本的に弁護士にご相談してください。そもそも、加害者本人が警察や検察に示談のために連絡先を聞いても、まず教えてもらえることはありません。当事者では示談交渉を始めること自体できないのです。弁護士に相談しなければ、通常、示談はできません。
まとめ
- 粗暴犯、性犯罪、財産罪などについては示談の余地がある。
- 示談できると、不起訴処分を得られたり、判決に有利に働いたりする可能性がある。
- 示談は「タイミング」が重要。弁護士に相談して進めていくべき。