参照元: 保釈とは何ですか - 千葉県の弁護士 みどり総合法律事務所
まず、「保釈」というのは、保釈保証金という名目のお金を納付することを条件に、勾留されている被告人を釈放する手続きのことです。保釈が認められると、逮捕された人は留置所や拘置所から一旦釈放されて、自宅などに戻ることができます。
しかし、保釈保証金を納付すれば、どんな被告人も保釈されるわけではありません。また保釈保証金の額は、事件の性質や、被告人の経済状況によっても異なってきます。
裁判所に請求して保釈金を納付する
逮捕された人を保釈させるためには、まず、弁護人から裁判所に請求しなければなりません。事件の性質、逃亡や証拠隠滅のおそれがないか、などの点を裁判所が判断し、請求が認められると、被告人は保釈保証金を納付することで、一旦、身柄拘束を解かれます。
保釈保証金は、事件の性質や被告人の経済状況を考慮し、裁判所がその額を決定します。大体いくら、というものはありませんが、最低でも100万円以上からです。事件が重い場合や、有名企業の経営者や政治家の場合には、保釈金が数千万~数億円になることも…。
保釈金は、裁判が終了すれば戻ってくるお金です。ただし、被告人が決められた裁判期日に出席しなかったり、証人や被害者を脅迫したりするなどの違反行為があれば、一部(あるいは全額)が没収されます。
保釈請求が許可されたら、または却下されたら
裁判所に保釈が許可されると、逮捕・起訴された人は自宅等に戻ることができます。
しかし、生活には、次のようないくつかの制限がかかります。
- 決められた場所に居住しなければならない。
- 証拠隠滅と思われるような行為をしてはいけない。
- 無許可で三日以上の旅行、海外旅行をしてはいけない。
――など。これらの遵守事項を破ってしまうと、保釈が取り消されることもあります。また、納付した保釈保証金が取り上げられることもあるので、決して破ってはなりません。
もし裁判所から保釈請求が却下された場合ですが、その際には、「準抗告」という手続きを取って、不服申し立てが可能です。つまり、再度、保釈の請求ができるというわけです。
保釈された被告人は、決められた住居から、裁判所へと通うことになります。また、保釈は起訴された後に請求できるのもので、起訴前の勾留期間中は、保釈は認められません。
まとめ
- 弁護人が裁判所に請求し、認められると、保釈保証金を納付することで被告人は保釈される。
- 保釈金(多くのケースで最低100万円~)は裁判が終了すると戻ってくるが、遵守事項に違反すると一部や全額が没収される。
- 保釈が認められないときには、準抗告して、再度保釈が請求できる。
- 保釈された後、被告人は、決められた住居から裁判所に通うことになる。