参照元: 逮捕後の取調べで注意することは何ですか - 千葉県千葉市の弁護士 みどり総合法律事務所
「ケースバイケース」というところも大きいですが、基本的には次の通りです。
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自分が関与していない事件は一貫して「否認」を
疑いをかけられている事件について、自分は一切関与していない場合は、どれだけ警察官や検察官から厳しく問い詰められても、絶対に「自分がやった」と認めてはいけません。
「やったかもしれない」でも、ダメです。そのような曖昧な言い方をすると、警察官や検察官は取り調べの手を緩めることなく、最後には「やりました」と言わせるまでに追い詰めます。そして一度でも「やった」と認めると、後からその事実関係を否定することは難しくなります。裁判所にも「やっていない」という話が信じてもらえず、自分がまったく関与していない事件で、有罪になることもあるのです。
よって、自分が関与していない事件では、一貫して「やっていない」と、事実を否認してください。もし捜査官が話を聞いてくれないような場合には、「黙秘」で通すべきです。
身に覚えのある事件でも慎重に
対して、自分がやったという身に覚えのある事件で逮捕された場合。そういった事件の取り調べに対しては、その内容や関与の度合い(主犯なのか従犯なのか)、また捜査機関が持っていると思われる証拠等によって、取るべき対応が異なります。「洗いざらい話してしまうのが一番」と考えて自白すると、あるいは、不当に重い罪を科される可能性も考えられます。弁護士に具体的な部分を相談して、どう対応すべきか、助言してもらいましょう。
供述調書の署名・押印は拒否することもできる
捜査官は供述調書を作り終えると、後から裁判での証拠とするために、被疑者に署名と押印を求めてきます。しかし、これは義務ではありません。被疑者には許否する権利があります。調書の内容が、もしすべて正しいものであったとしても、従う必要はないのです。
苛烈な取り調べの後では、普通、冷静な判断はできません。自分に不利となる証拠を取られてしまわないためにも、調書には安易に署名せず、警察官や検察官に何を言われてもその場ではひとまず保留して、ただちに弁護士と接見し、相談するようにしてください。
暴力的な取り調べを受けたら…
もし捜査官に罵声を浴びせられたり、身体を掴まれたりした場合――そのような暴力的な取り調べについては、すぐに弁護士に伝えてください。弁護士は、その内容を詳しく記録して、証拠にします。その上で警察に抗議し、同様の行為が繰り返されないよう、警告します。また、「取り調べ可視化」のために、ビデオでの撮影を求めることも可能です。それを認めない場合には、今後、一切の取り調べには応じない、と主張することもできます。
まとめ
- 自分が犯人ではない事件の取り調べでは、一貫して「否認」すること。
- 捜査官が話を聞いてくれないときには、「黙秘」する。
- 心当たりのある事件でも、洗いざらいすべてを自白するのではなく、弁護士に助言を受けながら、慎重に対応する。
- 供述調書への署名・押印は義務ではなく、拒否もできるので、求められても安易に従わないこと。
- 暴力的な取り調べを受けた場合には、すぐに弁護士に相談する。