参照元: 少年事件において、被害者は何かできるのですか?|みどり総合法律事務所
たとえ青少年が罪を犯したとしても「少年法」のバリアがあり、被害者は何の情報も知ることができず、被害者の側からはどんな処罰を望むこともできない――というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。実際、過去にはそのような状況が続いていました。
しかし、凄惨な少年事件が多くなってきている現状で、被害者の方にできることも以前と比べて増えてきています。特に、弁護士に相談すればその“権利”を十分に適切に行使できるので、憤る気持ちをまずは一旦落ち着かせて、弁護士に話を聞かせてください。
少年事件の被害者は証拠記録を見ることができる
事件の証拠記録について、それが少年事件であっても、被害者はその閲覧・コピーをすることができます。つまり、事件の内容について、より詳しく知ることができるのです。
ただし、少年の要保護性について行われる調査とその記録である「社会記録」は閲覧できません。また、証拠記録に関しても、正当な理由なしに閲覧・コピーすることはできません。
審判の状況・結果についても説明を受けられる
罪を犯した少年が本当にきちんと反省しているのか、また、審判ではどのような供述をしたのか――など、少年審判について、被害者やご遺族から申し出がある場合には、少年の健全育成を妨げない範囲で、その説明を受けることができます。また、世間では実名公表されない少年事件ですが、被害者は少年の氏名を知ることができ、また、審判の結果について通知を受けることもできます。
また審判後には、加害者の少年院における処遇状況、保護観察中の少年の生活態度などについて、通知を受けることも可能です。
基本的に「被害者参加」はできないけれど…
少年事件の審判において、成人事件の裁判のように、被害者参加のような制度はありません。しかし、これはあくまで原則であり、少年事件のうち故意の殺人・傷害などの審判については、被害者は、少年審判を「傍聴」することができる場合もあります。
まとめ
- 少年事件の被害者は、事件の証拠記録を見ることができる。
- 少年審判の状況や結果、また審判後の処遇状況についても通知を受けることができる。
- 少年事件には「被害者参加」の制度はないが、被害者が望む場合には、加害少年の健全育成を妨げない範囲において、少年審判を傍聴することができる。