参照元: 私の会社に将来生じる法律問題に備えたい|みどり総合法律事務所
ある程度以上の大きな企業ともなると、法務部は必要かもしれません。
会社の経営と法律的な問題は、常に切り離せない関係にあります。たとえば、新しい事業を始めようとするときには、その事業が触法しないか、そんなことも細かく調査しなければなりません。
あるいは、人事上の問題もそうです。従業員の給与、労働条件――そんなことにもすべて法律が絡んできます。近年は、海外と取引する企業も増えています。すなわち、外国の法律に関する知識も必要なのです。頻々と法律の専門家に話を聞く機会が出てくるでしょう。
頼りになる顧問弁護士を探そう
法務部を新たに作るのには、それなりのお金が必要とされます。法律的知識を持った人材が必要とされるわけですが、その重要性から考えて、新卒は雇えません。経験者採用となると高給です。また、ごく内密にしておきたい情報も法務部は一手に抱え持つことになるので、外部から信用できない人は雇えないでしょう。潤沢な資金と人材を持つ大企業ならともかく、中小企業では新たに法務部を作るのは現実的ではありません。
そこでベストなのは、恒常的、または緊急の法律問題が発生したときに備え、弁護士と顧問弁護契約を締結するという対策です。不当な請求、クレーム処理などの問題に対しても顧問弁護士が力になります。CSRはもちろん、コンプライアンス強化、また事業拡大の際にも、法律に触れる部分がないか、顧問弁護士には何でも相談できます。その都度別な弁護士に相談することは、説明の手間から考えても合理的ではありません。ある程度は会社の内情もよく知った、信頼関係のある顧問弁護士がいれば、何かと頼りになるでしょう。
福利厚生の一環として従業員に法律相談の場を提供しよう
従業員に安心して働いてもらうために、福利厚生の一つとして、法律相談の場を提供することも良い取り組みでしょう。そんな場合でも、顧問弁護士がいると頼りになります。会社の一部である法務部という形を取らないことで、相談しやすい雰囲気も生まれます。社内風土の向上はもちろん、企業としては、対外的に「働きやすい良い会社ですよ」とアピールする戦略としても有益ですね。
顧問弁護士は、従業員から寄せられるあらゆる労働問題の相談に乗ります。解雇、退職、残業などなど――。もちろん、弁護士は守秘義務を負うので、従業員の相談を口外することはありません。会社に自浄作用を持たせるためにも、そんな法律相談の場は必要です。
まとめ
- 法務部を新設するよりは、顧問弁護士を探す方が現実的。
- 従業員への「法律相談の場」を提供するのにも顧問弁護士が良い。