参照元: 株主総会が荒れそうな場合の対処方法は|みどり総合法律事務所
結論から言うと、取締役は、株主からの追及には真摯に応えるしかありません。
ただし、弁護士を同席させることでいくらか心理的な負担は軽減できるはずです。株主総会が紛糾しそうな場合には、まず、専門の弁護士に相談して対応を考えておきましょう。
「株主総会」とは何か
株主の総意によって会社の意思を決定する、株式会社の必要機関を「株式総会」と言います。株主総会は社内に専用の部屋を作って常設されるものではなく、定期的に、あるいは臨時に招集されます。
取締役や監査の選任、定款変更、会社の解散・合併など、重要なことは株主総会で決定されます。
株主総会はどのように行われるのか
では、その具体的な流れについて確認しましょう。株主総会は、取締役会での話し合いの結果、招集の議決がなされた場合に行われます。会議形式での開催です。その進行はすべて議事録に記録され、総会で議決された事項は「総会決議通知」で株主に知らされます。
大まかな株主総会の流れは、以下の通りです。
- 取締役会で株主招集の議決を行う。(定時株主総会は、年に1回、一定時期に行う)
- 株主への招集通知(書面で行う)
- 株主議決権行使書の集計。招集通知に同封した議決権行使書の返送により、各議案の賛否を前もって集計する(株主1000人以上の会社が採用する議事への投票制度です)。
- 想定問答集を作成。
- 会場を設営する。
- 開会・議事進行。総会議長は、定款の定めるところにより、代表取締役の一人が務める。開会宣言の後、報告事項を陳述し、質疑応答を行い、決議事項を諮るという流れ。
- 閉会
- 議事録作成(議長・出席取締役が署名、捺印)。
- 株主総会決議通知を送付する。欠席株主にも総会の結果を知らせ、配当金の支払い通知を送付する。
- 議事録の閲覧に備えて準備を行う。議事録は、本店に10年間、支店に謄本を5年間保存。議決権行使の代理委任状も本店に3カ月間備え、請求に応じて閲覧・謄写させる。
株主総会が荒れそうなときには弁護士を同席させる
一昔前までは、総会屋が会を取り仕切る荒れた株主総会も散見されました。しかし現在では、一般株主の出席も前提とした、開かれた株主総会が多くなっています。このような株主総会では、業績悪化などで取締役は厳しい追及もされますが、やはり冒頭で述べた通り真摯に応えるしかありません。
ただし、必ずしも株主からの質問の全てに答える必要はありません。インサイダー情報はもちろん、企業秘密に関する質問は、株主から問われても、回答を拒否しなければならないでしょう。諸々、厳しい追及がされそうなときには、取締役が混乱して余計なことを口走ってしまわないためにも、弁護士などの冷静な専門家を同席させなければなりません。
まとめ
- 取締役や監査の選任、定款変更、会社の解散
- 合併などは、株主総会で決定される。
- 株主総会が荒れそうなときには、弁護士を同席させて、厳しい責任追及に備える。
- インサイダー情報や企業秘密は、株主から質問されても答えてはいけない。