参照元: 一部の債権者だけに返済をしてはいけない。|会社破産.com
Q. 破産時に、これまで特にお世話になった取引先には、しっかりとお金を返したいと思いますが、そのようなことは許されるのでしょうか?
A. 原則、一部の債権者を特別に扱ってお金を多めに返すということは、許されません。タブーです。
破産手続きを進める上で、管財人から、「債権者平等の原則」に関しては非常に厳しく見られます。会社が自己破産を申立てた時点で裁判所から管財人が選任され、あらゆる資産は管財人の管理下に置かれるのですが、管財人により換価された資産は、すべての債権者に平等に配当されます。
では、破産申立をする前ならいいのか、という疑問もあるかもしれませんが、これも許されません。つまり、「これまでいろいろと取引があったんだから、うちには特別にお金を多めに返せ」と言われても、その要求に従ってはならないのです。もし、従った場合も、後に管財人にその事実は必ず見つかり、「偏頗弁済」と見なされ、特別に多く支払ったお金をきちんと取り返し、破産財団に返すように指示されます。
すなわち、どこまでも「債権者平等の原則」なのです。破産申立前に特別に一部の債権者に多めに返済したお金も、また返してもらわなければいけないので、お世話になった取引先に却って手間をかけることになります。もしそのように言われたとしても、「否認権」があるので、しっかりと拒んでください。もちろん弁護士に相談すれば、専門家が取立の矢面に立ち、すべてを処理します。