会社の自己破産というのは、簡単に言えば、「すべての債務をなくすための手続き」です。
様々な事情があって経営が行き詰まり、債務の返済が非常に困難な状況に立ち至った場合には、我が国の法律で定められた「破産法」により会社を倒産することができます。
その破産法で決められた「条件」については基本的に、あらゆる意味で追い詰められた状況にある会社は特別な事情を抱え込んでいない限り、ほとんどすべての場合で自己破産が認められます。そして、ひとたび自己破産による免責が認められると、会社の債務(借金・負債)は税金なども含めて、まるまるすべて消滅します。
破産法で決められた「条件」
より詳しく破産法に触れて確認すると、会社は、「支払不能」と「債務超過」という2つの状況に落ち込んでしまった場合、破産が認められるということになります(この2つだけに限定されると聞くと不安が生じるかもしれませんが、実情はその限りでもありません)。
「支払不能」とは
会社が持ちうるすべての財産・信用、そして今後予定されている収入を投げ打ってでも債務を返済することができない状況を、「支払不能」と呼びます。自転車操業(債務の返済のために借金をしている)のケースでも、実質的にはやはり「支払不能」にあたります。
「債務超過」とは
債務の総額が資産のすべてを超過している状態を、「債務超過」と呼びます。たとえば、会社の総資産(現金・貯金に加え不動産の評価額)が1000万円で、債務が5000万円というときには、これは歴然とした「債務超過」です。ただし、原則として「債務超過」のために破産が申立てられるのは、株式会社、有限会社、あるいは合同会社のみに限られます。
債権者から申し立てられる債権者破産
さて、経営者が自ら会社の窮状を感じ取り、破産を申し立てることを「自己破産」と言いますが、債権者から会社の破産が申し立てられることもあります。これを、「自己破産」に対して、「債権者破産」と言います。ただし、これは多額の費用が掛かることなどから、法律的には債権者破産も可能とされていますが、現実的にはほとんど滅多にない事例です。
会社の自己破産に関しては、まず、破産をすべきかどうかという点から、そして「破産の手続きはどんな感じなのか」「破産後の生活はどうなるのか――」という部分まで、経営者の方は苦悩することでしょう。諸々、弁護士に相談することから始めてはいかがでしょうか。専門家の意見を聞くことで「心労」もいくらか軽くなるのは間違いのないことです。